ほぼ全員がやってしまう間違い
まず思いつくのは、アルファベット表を印刷して形を暗記し、聞こえてきた信号を頭の中の表と照らして解読する方法です。しばらくは通用します。同時に、後から抜け出せない癖も作ってしまいます。
この覚え方をした人は毎分十語あたりで壁にぶつかります。信号の到着が頭の中の照合より速くなり、そこから先に進むには全部を覚え直すしかありません。
形ではなく音を覚える
流暢な通信士は、短点と長点を聞いてから A だと判断したりはしません。トツーというひとつの音がそのまま A を意味する、話し言葉を綴らずに聞き取るのと同じ感覚です。
ですから最初の練習から耳を使ってください。各文字を「短点・長点」ではなく「トツー」と声に出しましょう。実際に学んでいるのはリズムだからです。
コッホ法
1930年代、ドイツの心理学者ルートヴィヒ・コッホがモールスを最短で習得する方法を調べました。その答えは直感に反しますが、今も有効です。
まず二文字だけから始め、しかし最初の一分から目標の速度で送信します。正答率が九割ほどに達したら三文字目を足す。これを繰り返します。
要点は、覚え直しが一度も発生しないことです。速度に乗った各文字の響きは、初日に覚えたものと同じです。
ファーンズワース間隔
初日から全速力は無理に思えますが、そこでファーンズワース間隔が効いてきます。各文字は目標速度のまま送り、文字と文字の間隔だけを広げるのです。
引き伸ばされた文字を一度も聞かずに考える余裕が得られるので、身につくリズムは正しいままです。上達に応じて間隔だけが縮まり、文字の速度は最後まで変わりません。
現実的な最初の一週間
- 1〜2日目:二文字だけ、15分を1日2回。それ以上はやりません。
- 3〜4日目:正答率が許すなら1回につき1文字ずつ追加し、短いランダムな組を書き取り始めます。
- 5日目:数字を追加。分かりやすい法則があるのですぐ入ります。
- 6〜7日目:実際の単語を書き取ります。ここでパズルから言語へと感覚が変わります。
つまずく原因
- 表を見ながら練習すること。視覚の癖が生き延びてしまいます。
- 間隔を広げる代わりに、文字そのものの速度を落とすこと。
- 週に一度の長時間練習。毎日15分のほうが日曜の2時間に必ず勝ちます。
- 聞くだけで終えること。リズムが定着するのは自分で送信したときです。